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このページでは代償性発汗の取り組み

を中心にETSの課題へのこれまでの経緯について
記述します。

文章量が多く、

読むのが大変という指摘があり、

大幅に文章を少なくしました。




更新(2008年4月12日)
「代償性発汗とはETS術後に病的に増加した発汗」と定義できます。

小生は代償性発汗のホットラインを行なっており、

多くの代償性発汗の相談を受けました。

その中には著しく多量な発汗の患者さまがいる一方で、

小生より汗の少ない人も相談に来られることもありました。

このような患者さまの自己申告での代償性発汗の相談をうかがっていると

どの程度の発汗が生じているのか不明なままなので、発汗計により実測しました。

それをする事により、

体の汗が元々多くてETSを行なった後少し汗が増加した場合と

元々の体の汗は少ないが、ETS後に沢山になった場合とでは

代償性発汗の重症度は異なります。

測定を繰り返し行なっていると

代償性発汗はいくつかの特徴があります。

発汗状態から見ることにより患者からの自己申告で来院された場合の

代償性発汗は何通りかに分類できます。

ここでは詳細は省きますますが、

総合的に判断にして、一般に激しい代償性発汗は

ETSにより本来その方に備わっていた交感神経の作用が

より強まっている場合が多いと考えられます。

代償性発汗は、ETSを受けた事により交感神経の作用を減弱させた結果、

体に失調を来たした状態とする考えもあるようですが、

実態はそのようではありません。

小生が、神戸大勤務医時代に多汗症の患者様のETS術前に

早朝のアドレナリン血中濃度・ノルアドレナリン血中濃度を測定しました。

全ての患者様で正常範囲の3倍から最高50倍の値までに高まっていました。

ETS術後7日目には全例で同数値は低下し、

正常範囲から1.5倍までの範囲にまでに減少していました。

一方、代償性発汗の激しい患者様はどうでしょうか?

同数値の値をみれば分かります。

交感神経の働きが弱まっているどころか著しく高まっていることもあります。

代償性発汗の症状は、薬物としてのアドレナリンやノルアドレナリンなどの

過量やその中毒時の症状と似ていることがあります。

やる気が高まったり、やる気がなくなったりする精神状態なども

それらの作用にあります。

代償性発汗はETSで処置した交感神経の部位と切除の量がその患者様の

交感神経の活動を一層高めることになったため発現していると考えられます。

神経の切除後にかえってその神経の活動を高める作用は

腰椎ヘルニアなどで膝外腱反射の亢進が起きるように

postーdenervetic hypersensitivityと呼ばれている病的反射として知られています。

激しい代償性発汗とは上述の病的反射性にで生じる発汗といえます。

結局、T2でもT3でもT4でも代償性発汗は発現する可能性があります。

発生頻度と強度は異なりますが、切除の部位が良くなければ一箇所の遮断でも発生し

切除の箇所や量が増えると発生頻度は高くなります。

切除の量が少ないことや切除の箇所がT4単独などでは多汗症の治療になりません。

ETSでは適切な処置の部位とその量でなければ多汗症のよい治療とはなりません。


代償性発汗の治療

当院では、他施設でETSをうけ激しい代償性発汗の患者さまに治療を行なってきました。

多くの患者さまはT2の処置を受けていますが、そうでない人もいます。

代償性発汗の発汗時の状態から原因となったであろうETSの修復を目ざすとともに

術中電気刺激試験で病的反射の回路を探り当てその回路の働きを低下させます。

結果はリバーサル手術のリンクページに示しますが、

この手術により当院で行った患者様で改善が得られなかったことはありません。

(延べ20件以上で全例効果あり。)

全ての患者さまは最初に手術の際より交感神経の切除量は多くなっていますが

代償性発汗は著しく減少しました。(治療実例参照

代償性発汗はETSの手術で交感神経を切除したことが良くないのではなくて

切除した部位がその患者さまには相応しくなかったため生じるものであり、

その治療には、確実にETSが必要となります。

当院で代償性発汗の治療を受けられた患者様は小生のホットライン

にアクセスされた方の中でも重症の代償性発汗の方々です。

ご本人さまにはお辛い中にも関らずには術前術後の体験談・写真をいただき

インターネットでの公開にまで応じてくださいました。

深甚な感謝の意を表明します。




これからETSを受ける患者さまへ

ETSでは代償性発汗という良くない作用があり、手術の仕方によっては出るときは激しい場合があります。

当院では代償性発汗の治療を行なうことが出来るようになった現段階の技術力であっても

初回治療で全くに代償性発汗がでない治療は出来ておりません。

この点に関しては代償性発汗があった場合に、

患者様としてどの程度から不満足になるかが術前に想定できないためです。

下方遮断T4以下の遮断で代償性発汗が無視できるとする医師もいますが、効果も乏しい上に

代償性発汗がでるときには出ます。

T4でうければ副作用はないとは安直に考えてはいけません。

クリップ術などのようにクリップをはずせば、元に戻るというものではありません。


手術を受けるときには代償性発汗もあり得るということを考えに入れて

それでも多汗症の治療の有用性・必要性があるかどうかの検討をしてください。

多汗症の治療を受ける際には、代償性発汗に対する治療の実績をしらべることも肝要です。


今後の展望

現在、代償性発汗にクリップ術が有効としている医師がいますが、

単にクリップの除去では代償性発汗の多くは解決しません。

クリップ除去術を受けてさえ治まらなかった患者さまに対して

当院の手術の有効性をしめせるか検討します。

ホットラインでアクセスをお待ちします。










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2006年10月11日 21:37:11 掲載開始
2008年4月12日 更新