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 2008/2/24 代償性発汗に対して手術治療を行いました。
 
 ( 代償性発汗の治療は保険診療ではなく自費診療です。)
 
 
2008/2/23に患者様と他病院でETS後に代償性発汗を合併した患者様(4人)が同席し、
 手術の詳細な説明(約1.3時間)を受けていただきました。
 
 
 患者様は1996年の北海道内で両側ETSをうけたのち、
 代償性発汗を合併し、当時の主治医からもその診断を受けています。
 しかしながら、当時のカルテがなく切除の範囲は不明です。
 
 
 200/2/24に右胸部に対して代償性発汗のための手術を行いました。
 術中の判断で手術を進め、手術は成功しております。
 
 胸腔内の肺の癒着状況から前医においてT2の切除と判断されました。
 癒着剥離から手術を行いましたが、肺損傷なく完了しました。
 
 術中電気刺激試験を含め、手術のプロセスはすべて順調に進み
 手術の予定時間(240分)より早く終了しました。
 患者様は手術当日に退院でき、日帰り手術となっております。
 創部は3箇所となりましたが、すべて3ミリ以下で行いました。
 
 今回の手術の意義
 
 この患者さまには前医におけるカルテがなく切除範囲が不明です。
 
 カルテがなくても、当院独自の手術方法で改善が果たせるかという
 
 重要な臨床的意義がかかっております。
 
 
 
 術後7日目の経過について3月2日に
 
 
 メールでコメントをいただきました。
 
 
 こんにちは!1週間たちましたので、メールします。
 体の調子もいいです。
 
 
 これまでの経緯は、去年ホームページでリバーサルのことを知り、何度か説明会に参加しました。手術を受けるには、今の状態がわかる写真、ETSを受けた時のカルテと紹介状ということでした。当時の医師にお願いしたところ11年もたっているということもあり、カルテはありませんでした。紹介状の方は快く書いていただけましたが、カルテがそろわなかったので半ばあきらめかけました。ですが一応写真と紹介状を山本先生にお渡ししました。
 すると、詳しい所見がわからないので、開けたはいいけれどわからず閉じることも・・・ただ、痛い想いだけして今と何も変わらない。それどころか悪くなる可能性だって無いわけじゃないと・・・それでも手術をされますか?と問われました。ここまでいわれてもあきらめることができませんでした。だめもとと言っては乱暴ですがお願いすることにしました。結果大成功で、先生には本当に感謝しております。
 
 さて、1週間がたちましたので、結果を報告いたします。
 手術後当日、腋と背中が筋肉痛のような痛みがありました。
 しかし、96年当時のETSはまだ傷が大きく両方を同時に受けましたので、この時の痛みからすると
 今回の手術の方が痛みは少なく雲泥の差があります。20時退院。
 翌日、朝目が覚めると汗をかいておりました。手術を受けた右側は、胸、背中ともさらさらですが、左側は、いつもと同じで着ているものをぬらしていました。右腋は左腋とをくらべると20パーセント位の範囲で汗をかいておりました。傷はまだ腫れているようでさわると痛みを感じ、仰向けになると呼吸をする度に筋肉痛のような痛みがありました。こんなに早く反応が現れて嬉しい驚きですが、これで成功したのがわかりました。
 二日目、お昼にラーメンを食べました。いつもなら汗だくですが、右側胸、背中、腰はさらさらでした。残念ながら右腋、臀部、内股などの下半身はさわるとあせをかいているのがわかりました。
 三日目、右側を下にして横になってもあまり痛まなくなりました。
 四日目、今日は30分ほど歩いてみました。術後右上半身は腋以外さらさらでしたが、胸上部、背中上部にも汗がでました。その下の胸、背中、腰はさらさらです。
 七日目、まだ痛みは少しありますが、40分ほど軽く歩いて写真撮影。現時点では左右差を感じ随分汗の出る範囲が減って身体も楽になったような気がします。まだ下半身の方は変わらないです。
 
 
 
 
 リバーサルの術前の様子         右側のリバーサル術後7日目の様子
 
    
 
 
 山本クリニックからのコメント。
 
 最初に写真の公開に応じていただきました患者さまに深甚なる感謝の意を表します。
 
 病的な発汗である代償性発汗の減少が上半身の右側に認められる。
 当院のホームページで示すごとく、過去の公開手術としたリバーサル手術の8件においても
 全ての患者で同様の効果が得られている。
 
 これにより、代償性発汗は治療できることが証明され、
 代償性発汗が 「止まった手の汗や脇の汗が代償されたもの」ではないことも証明された。
 
 「代償性発汗」とは交感神経の切除レベルの不適切に伴う副作用であり、
 「反射生発汗」と命名することが相応しい病態と考えられる。
 故に、手術のやり直しにより改善が得られる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
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