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当院はT4切除を行っていません

代償性発汗の対策としてT4切除を推奨している施設がありますが、T4切除で代償性発汗が改善することはありません。



T4単独の切除の問題点


この切除では、多汗症はきちんと治りません。

ほんの少し汗が減るだけです。

抑えられるのは、代償性発汗ではなく

効果のほうです。


すなわち確実な治療とはいえず、

手術の目的がはたせません。

T4単独の切除やT5単独の切除では代償性発汗が

最小になるというホームページがありますが、

決して「最小」とか「許容範囲以内」

とかではありません。

T4切除は効果が不十分であり、

術後2年程度でほぼ全例が

再発してきます。

手のひらの汗が止まるのは

手術後短期間しかありません。

結局、繰り返し手術を受けることになります。


国際学会においても

T4切除の発表はありますが

長期効果に劣り

代償性発汗軽減の有効策とは

考えられていません。

従って、低い評価となっています。

手の汗が再び出るようになっても

代償性発汗はもとに戻りません。



顔面の汗が止まることと

代償性発汗の程度

とは関係しません


顔面頭部の多汗症のETSを受けた

患者さまのなかには、顔の汗が止まったにも関わらず

代償性発汗の出ない人もいます。

顔面頭部の多汗症の患者さまの顔の汗を治療して

はいけないというのでもありません。

当院のリバーサル手術で

代償性発汗が治った場合でも

顔の汗が収まった状態の

患者様が多数いらっしゃいます。





1990年代後半に

小生も神戸大学勤務時代に

試験的にT4単独切除を行った事があります。

結果的に代償性発汗は

決して見過ごされるものではなく、

さらに効果も乏しいため、

すみやかに終了としました。

以来、現在も行っていません。


代償性発汗はT2の切除を行った患者に

確率的にも最も多く出現し(30%)

激しい事例が含まれていることに

異論はありません。


以来、T4単独の切除では切除量も少なく

代償性発汗が極小といった錯覚がされやすい

風潮がうまれました。


当院の代償性発汗のホットラインでは

最近になり、T4でも代償性発汗により日常生活に

不具合をきたした患者さまからの報告

が増えてきております。

T4切除を受けた患者様が増加している

ことが原因と思われます。



T4切除の患者の術後の特徴は

1. 手の汗が十分にとまらない。

  (日常生活に不便が残る)

2. 他の箇所(T2やT3)の切除とは異なり

  代償性発汗として
顔面の汗が増える事例がある。

  (この顔の多汗は味覚性の発汗とは異なり

  温熱性発汗・精神性発汗の様相がある。)

3. 他の箇所(T2やT3)の切除とは異なり

  T4切除後に
著しい赤面症となる事例がある。


T4切除で代償性発汗が少なくなる

  (あるいは最小になる)

という意味は、

代償性発汗(日常生活に不便をきたすレベル)

の出現する率が

T2>T3>T4
ということです。


代償性発汗の程度に関しては、現段階で

T4が少ないといいきれるものではありません。

以下に特徴的な事例を示します。


他院において代償性発汗が少ないという説明をうけ

T4切除をうけた。

しかし、手の多汗はほとんど止まらなかった。

代償性発汗は顔と背中・胸に驚くほど多量になった。

せめて、手の汗でもしっかり止めるために

再手術でT3の処置を行った。

手の汗はT4切除後とは比べ物にならない

ぐらい良く止まった。

代償性発汗の背中や胸の汗の量は変化がなかった。




この患者様の経過は、

T4切除の代償性発汗が

T3切除と同じであることを示しており

T4の切除が代償性発汗を少なくしているのでもなく

発汗抑制効果と代償性発汗の程度には

関係はないということを

示しています。



代償性発汗は、交感神経の切除によって

発生します。

どの部分の交感神経が代償性発汗を呼び起こすか

については、様々な個体差があります。




当院では、代償性発汗の治療経験を通じて

よくよくその問題点を承知しております。

どの箇所の切除をするにしろ、

患者様と医療者はともに

片側の手術の後、自己責任において

経過をよくよく見極める

必要があります。


そうでなければ、術前の期待に

反して、想定以上の代償性発汗に

悩まされることになります。







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