多汗症(手の汗)治療は山本クリニック 本文へジャンプ



他院で効果が十分でない

患者さまへの対応
について



ETSを行った場合にも

手の汗が十分にとまらず、まだ手の汗が

湿っているという場合があります。

おおむね、ETSにおける

交感神経節の切除設定が

原因しています。

2009以降に当院へお問い合わせが

急増しており、このページを掲載することとしました。

現在、局所多汗症は厚生労働省が定める

難治性疾患と認定されています。

どういうことかというと、治療しにくいということです。

一方、ETSを受けた後の手の汗は

おおむね正常者と区別がつかいない程度に

手の多汗は治まります。

それでは、なぜ難治性疾患とされているのでしょうか?

代償性発汗という副作用があるからです。

お医者さんは多汗症の治療がどのように

難しいのか知っています。

患者さまも「難治性」の理解をしっかりしていなけばなりません。

難治性が故に、お医者さんの治療の進め方

にもいろいろな場合があります。

他院では、まずT4(第4肋骨と交差する交感神経幹の部分)

を切除して経過を見る方法をしているところがあります。

これで手の汗が多くの患者様で半分くらいには減少します。

グレード1では、これで納得できる患者さまもいるようですが、

グレード2以上ではETS術後にもかかわらず、

グレード1の状態でまだまだ多汗症が治ったという状態ではありません。

最初に、T4切除を行う医師は、

効果が不十分であった場合に

T3切除を再手術で追加する方針を採っています。

なぜなら、T3とT4の2箇所の切除であれば

手の汗はグレード3の多汗であってもおおむね治まるからです。

当院も以前はT3とT4の切除を行っていた時期があります。

しかしながら、T3とT4の切除を行えば

約3から5%に厳しい代償性発汗を伴います。

最初、T4を試しに切除し多汗が治った患者様は

T3切除を受けなくてよくなるのでその分全体として

厳しい代償性発汗を少なくできるというのが

T4切除の医師の治療の進め方です。

しかしながら、ここでも注意が必要です。

T4切除では約5から2%で厳しい代償性発汗の

可能性があるということT3切除を追加する時には

再手術であり最初のT4手術で

胸膜の癒着でT3切除すらできないということがあります。

 T4切除をうけた患者さまから、

当院にお問い合わせがある場合は2通りあります。

手の汗が十分に止まっていないという内容のものと

T4切除をうけて代償性発汗が厳しいという内容のものです。

前者については、そもそもT4切除は十分とまらない手術であるため

T3の追加を主治医に申し出る状況にあると考えます。

しかしながら、患者さまの話では

当該主治医はT4切除で十分良くなると説明したとのことであり

結果と異なるらしいのです。

奇妙な話ですが、説明があったのか私は現場に立ち会っていないので

わかりませんので言及できません。

T4切除とは効果が十分でないことが大半であり、

T3切除を追加する必要があると説明をうけたのであれば

その病院で引き続き治療をうけていただくことをおすすめいたします。

その患者さまは、治療の途中と言うことになります。

患者様が主張するように

万が一、T4切除で十分治ると説明した医師がいるなら

嘘の説明となるでしょう。

さらに、T4切除では厳しい代償性発汗が

でない等の説明もデタラメとなります。



当院の手術は、T4切除とは全く異なります。

また、一律にT345を切除する手術でもありません。

当院の場合、T2からT5(一部T6)に

電気的な刺激試験を行い各部位の交感神経と

その神経支配領域の関係を見極め、

手術において多汗の治療に関係のない

交感神経節の切除や遮断はしないという方針で

手術を行っています。

交感神経の切除は多汗症の治療に必要な

部分だけでよく

不必要な神経切除を行うことが、

代償性発汗をより厳しいものにしていると考えるからです。


私も、9000例以上の患者さまを担当させていただきましたので

代償性発汗の発生するメカニズムに対して

一定の考えがあります。

これに、基づき多くの代償性発汗の

患者さまの治療も担当しました。

そして、代償性発汗治療にも成功できるようになりました。

ここで、T4手術を見直した場合に

手の汗が十分に良くならなかった患者様の場合

当院では電気的刺激試験で

T4切除を省略していた患者様と考えられます。

経過の中からT4切除に意味がなかったかあるいは

乏しかったとなると、むしろT3切除時には

代償性発汗の大きな要因になってくると考えなければなりません。

このため、当院では両側のT4切除をうけた方の

効果不良例の再手術はご遠慮しております。

片側のT4切除であれば、対応できると考えております。

当院では、当院で担当したすべての患者様に喜んでいただくために

これまで取り組んできました。

T4切除で効果不良の症例に

T3切除を当院で行った場合にどうなるか

をシュミレーションすると

うまく行けば問題ありませんが、

そうでない場合を以下に列記します。

1.再手術で、癒着に阻まれて何もできない。

2.癒着剥離で出血して大変なことになる。

3.T3切除を行った途端に代償性発汗になる。

どの場合も患者さまの無念は計り知れません。

中には裁判をする人も出てくるでしょう。

とくに3の場合に当院で再手術したとなると、

患者様が前医を訴えたとしても、代償性発汗は当院が

手術したあとに生じるので前医も

当院に裁判の火鉢を回してくることになります。

当院としては、最終的に患者さまの満足が得られる

形で治療を進めていきますので、上記のような経過に

お付き合いするものではありません。









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2006年10月11日 21:37:11 掲載開始
2008年4月12日 更新